医学・看護学教育センター
Education Center
for Medicine and Nursing
2025年度第2回技術セミナーを終えて
技術セミナーは年3回開催し、基礎研究の実験に必要な実験手技を体験いただくセミナーとなっています。今回は第2回を実施し、計7名の学生さん(1年生5人、2年生1人、5年生1人)が参加してくださいました。
今回のセミナーでは、癌細胞からのRNA抽出から始まり、PCR法によるcDNAの複製、plasmidへの挿入、大腸菌へのtransformationと丸2日をかけた盛りだくさんの内容を実習していただきました。また、Competent Cellsや寒天培地、アガロースゲルの作成にも挑戦していただき、実験に必要な物品を揃える基礎の部分から経験していただきました。参加してくださった学生さんたちは、みなさんやる気に満ち溢れており、初めての実験に臆することなく手を動かし、チャレンジしてくれていました。実験が成功し、綺麗に目的のバンドが確認できた生徒がいた一方で、大腸菌のコロニーができないなど様々なハプニングに遭遇する生徒もいました。今回の実習を通じて、結果を見返し、どこで反応が進まなかったのかを考察するという、今後自分で実験を進めていくために必要な考え方を学んでいただくことができたのではと思います。受講後アンケートでは、第1回からグッと実験レベルが上がった影響もあったのか、「内容が難しかった」や「自分自身の実験手技に未熟さを感じた」などの感想がありました。教師陣も、気軽にストレスなく実験を楽しんでもらいたい気持ちと基礎研究者が普段から向き合う実験(戦力として研究室に加わるために必要な実験スキル)とはどういうものなのかを知ってもらいたい気持ちがあり、「内容のレベル設定をどこに合わせるのか」は、今後も難しい問題として残りそうです。
今回の技術セミナーでは、夏休みの貴重な2日間をいただき、実習を行なっていただきましたが、多くの学生から「良い経験になった」、「楽しく実験できた」という感想をいただくことができました。第3回では、Western blottingによるタンパク質の測定実験を行う予定としており、第2回に続いて複数日程の内容を予定しています。ぜひ今年度最後の技術セミナーにご参加いただければと思います。
また、今回の技術セミナーも、学務課および医学・看護学教育センターの方々、特に前任者である谷浦先生の手厚いサポートのもと、無事開催することができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
文責:前川 毅
****************************************
©2021 滋賀医科大学 医学・看護学教育センター