医学・看護学教育センター
Education Center
for Medicine and Nursing
2026年度 第2回 輪読会を終えて
6月11日(木)16:20より、2026年度第2回輪読会を開催しました。前回に続き盛況で、25名の学生が参加しました。
◆Abstract の読み合わせ
今回は3名の発表が予定されていたため、時間確保の観点から、早めに来場した学生に読んでもらう形式で教材のみを準備しました。取り上げた論文は França, G.S. et al. Cellular adaptation to cancer therapy along a resistance continuum Nature 2024 631, 876–883 https://doi.org/10.1038/s41586-024-07690-9で、抗がん剤耐性を「抵抗の連続性」として捉え、その機序を解明した最新の研究です。興味を持てる内容で読みやすいものにしました。
◆発表内容
Edelstam G, et al. Optimised gynaecological examination with a new pelvic examination chair. Sex Reprod Healthc. 2019 Mar;19:84-87. doi: 10.1016/j.srhc.2019.01.001. PMID: 30928140
婦人科診察で使用される内診台を、患者の意見を基に改良した研究で、患者側・医療者側双方の評価をまとめた論文です。 波多江さんは要点を簡潔に整理しつつ、論文の不足点にも自ら言及してくれました。研究テーマの背景理解のために選んだとのことですが、単なる紹介に留まらず、自分の視点を持って発表できていた点が非常に印象的でした。 このテーマ自体が新鮮で、参加者にとっても学びの多い内容でした。
Ren Y, et al. SSRP1/SLC3A2 Axis in Arginine Transport: A New Target for Overcoming Immune Evasion and Tumor Progression in Peripheral T-Cell Lymphoma. Adv Sci (Weinh). 2025 Jun;12(21):e2415698. doi: 10.1002/advs.202415698. PMID: 40344476
ご自身の研究テーマに関連した論文で、膨大な実験データが報告されている内容でした。 脇ノ上さんは、背景やこれまでの研究の流れを丁寧に説明し、実験部分はコアとなる内容に絞って紹介してくれたため、低学年の学生にも理解しやすい発表となっていました。 原稿から離れ、自分の言葉で説明していた点も聞きやすく、今後の研究につながる発表だったと思います。
Ukaji T, et al. AAV-mediated base editing restores cochlear gap junction in GJB2 dominant-negative mutation-associated syndromic hearing loss model. JCI Insight. 2025 Mar 10;10(5):e185193. doi: 10.1172/jci.insight.185193. PMID: 40059830
深山さんは夏に海外留学を控えていることもあり、昨年度の輪読会で紹介した論文を英語で再発表してくれました。ここからは司会も英語に切り替え、演者紹介なども英語で進行しました。 発表はよく整理され、英語も流暢で聞きやすいものでしたが、原稿を読んでいる印象がやや強く、質疑応答も一部英語ではあったものの、多くは日本語で行われました。
英語をネイティブレベルで使いこなすことは容易ではありませんが、文法の正確さよりも「まず話すこと」が求められる場面が増えていることを改めて感じました。 低学年の学生にとっては衝撃的でもある英語発表で、「英語をもっと学びたい」という声が多く聞かれました。
◆質疑応答と参加者の声
質疑応答では、理解を深める良質な質問が多く、発表者にとっても有意義な時間となりました。 1年生が多く、やや静かな雰囲気ではありましたが、マイクを向けるとしっかりとした感想が返ってきており、真剣に聴いていたことが伝わってきました。
最後に参加者全員から一言ずつ感想をいただいたところ、
といった声が多く上がりました。
輪読会は、英語論文を読み解くだけでなく、互いの視点を共有しながら学びを深める場でもあります。こうした経験が学生の自信や次の挑戦につながっていることを嬉しく思います。今後も、より多くの学生が気軽に参加できるよう、充実した会を育てていきたいと考えています。最後に、輪読会の開催にご協力いただいた皆さまに、この場を借りて心より御礼申し上げます。
文責:谷浦
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2026年度第1回技術セミナーを終えて

技術セミナーは年3回開催し、基礎研究の実験に必要な実験手技を体験いただくセミナーとなっています。2026年度初回の第1回には計21名の学生さん(1年生17人、2年生4人)が参加してくださいました。
今回のセミナーでは、昨年度に引き続きマイクロピペットの使い方を学んでいただき、それを利用したタンパク定量を用いて未知の濃度の溶液の濃度を予想するという「基礎のき」と言える内容で開催させていただきました。参加してくださった学生さんたちは、みなさん真剣に取り組んでいて、自分の出した実験結果がどれくらい正確だったのかを非常に興味を持って見ており、これから自分で実験を行なっていくんだという意識の高さを感じさせてくれました。また受講後アンケートでは、「初めて使う実験器具について丁寧に使用方法を説明してくれた」や「使ったことのない機材の使い方を楽しく学ぶことができた」などの感想をいただき、我々も指導が報われたのだなと実感できるコメントをいただくことができました。また、コメントの中には研究室配属後に活かせる内容を盛り込んで欲しいという要望も見られ、学生さんたちの高いモチベーションが垣間見えていました。
2時間弱という短い時間ではありましたが、少しでも「基礎研究してみたいな」と思うきっかけになればと思っています。第2回、第3回では、DNAや個別のタンパク質の定量実験を行う予定としており、数日をかけたより実際に近い内容を予定しています。ぜひ次回以降も参加いただければと思います。


また、今回の技術セミナーは、学務課および医学・看護学教育センターの方々、特に前任者である谷浦先生の手厚いサポートのもと、無事開催することができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。


文責:前川毅
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2026年度 第1回 輪読会を終えて
4月30日(木)16:20より、2026年度最初の輪読会を開催しました。 まだオリエンテーション前の時期にもかかわらず 28名が参加し、そのうち 16名が今年度の新入生という、うれしいスタートとなりました。また、発表者と同学年の学生も聴講に来てくれており、学年を超えた交流の場としても良い機会となりました。
■ Abstract の読み合わせ
今回は、以下の論文を取り上げました。 Jiahe Tian et al. “A sympathetic-eosinophil axis orchestrates psychological stress to exacerbate skin inflammation.” Science 391, 1269–1277 (2026).
新年度は心理的ストレスを受けやすい時期でもあり、ストレスが皮膚炎を悪化させる神経免疫学的メカニズムを解明した本論文は、タイムリーで興味深い内容でした。比較的平易で専門用語も多くないため、短時間でも読み進めやすかったのではないかと思います。今後は斜め読みのスキルも身につけていってほしいところです。
■ 発表内容
今回の発表者は2名でした。
・1人目:深山枝愛さん(2年生)
昨年度最終回に続き、今回も発表してくれました。 紹介した論文は以下の通りです。
Chih-Hao Chang et al. “Metabolic Competition in the Tumor Microenvironment Is a Driver of Cancer Progression.” Cell 162(6), 1229–1241 (2015).
T細胞の抗腫瘍免疫が低下する要因として、抗原認識の問題などはよく知られていますが、本論文では 腫瘍微小環境におけるグルコース代謝の競合 がその一因となり得るかを検討しています。情報量が多く難易度の高い論文でしたが、背景・目的・明らかになった点・残された課題を整理し、非常にわかりやすく説明してくれました。
・2人目:山本哲哉さん(5年生)
発表論文は以下の通りです。
Kutsche J. et al. “Mapping Neuroimaging Findings of Creativity and Brain Disease Onto a Common Brain Circuit.” JAMA Netw Open. 2025; 8(2): e2459297.
神経変性疾患の進行と、代償的に獲得される創造性の関係に着目し、創造性を担う共通脳回路を探索した研究です。内容自体も非常に興味深いものでしたが、山本さんの発表はさらにユニークで、ラヴェルの「ボレロ」を聴かせてくれたり、絵画作品に見られる創造性の高まりを紹介してくれたりと、論文の枠を超えた熱意あふれるプレゼンテーションでした。
■ 質疑応答と参加者の声
両発表に対して活発な質疑が行われ、発表者に新たな視点を与える鋭い質問も多く見られました。 最後に参加者全員から一言ずつ感想をいただいたところ、「自分も論文を読めるようになって発表したい」という声が複数あり、非常に頼もしく感じました。
輪読会は英語論文に親しむ場であると同時に、発表力・質疑応答力を磨く場でもあります。その意義を多くの学生が感じてくれていることを心強く思います。今後もより多くの学生に参加してもらえるよう、さらに盛り上げていきたいと考えています。
最後に、輪読会の開催にご協力いただいた皆さまに、この場を借りて心より御礼申し上げます。
文責:谷浦
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2025年度第3回技術セミナーを終えて
技術セミナーは年3回開催し、基礎研究の実験に必要な実験手技を体験いただくセミナーとなっています。今回は第3回を実施し、1年生4名の学生さんが参加してくださいました。
今回のセミナーでは、特定の条件下で培養した癌細胞からタンパクを抽出し、標的のタンパク質の発現量がコントロールと比較して増加していることを2日かけて測定していただきました。今回用いたWestern blottingという手法は、基礎実験の「基本の基」となっているものであり、今回の経験は今後の研究活動で大いに役立てていただけるのではないかと思っています。参加してくださった学生さんたちは、この時期になると皆さん実験に興味を持っている方のみになっており、実験するだけでなく、その背景の知識や概念も興味深そうに聞いてくれていました。前回同様、途中で手順を間違えたりするなどの不測の事態もありましたが、失敗を科学的な知見をもとに考察し、やり直した方がいいのか、続けられるのかを教員とも相談しながら実践してくれていました。受講後アンケートでは、皆さんの満足度が伝わってくるような非常にありがたいコメントをいただきました。私自身も今年度から指導を始めた身であり、学生さんに育てていただきながら、無事1年間技術セミナーを実施できたと感じております。本当にありがとうございました。

今回の技術セミナーでは、冬休みの貴重な2日間をいただき、実習を行なっていただきましたが、4人とも非常に楽しそうに参加してくださっていました。2026年度の技術セミナーは新入生が主体となるため、2025年度に参加してくださった学生さんたちは輪読会などの他の授業で顔を合わすことになると思います。それぞれの配属先のラボで鍛えられ、逞しくなった姿が見れることを楽しみにしています。

また、今回の技術セミナーも、学務課および医学・看護学教育センターの方々、特に前任者である谷浦先生の手厚いサポートのもと、無事開催することができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
文責:前川毅
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2025年度 第4回 輪読会を終えて
1月23日(金)に2025年度 第3回 輪読会を開催いたしました。今回も3名の学生さんに発表していただきました。
1人目は2年生の深山枝愛さんが、Ukaji T, et al. AAV-mediated base editing restores cochlear gap junction in GJB2 dominant-negative mutation-associated syndromic hearing loss mode. JCI Insight. 2025. PMID: 40059830を発表してくれました。難聴の原因になる遺伝子変異に対する遺伝子治療の開発に関連する論文で、難しい遺伝子組み換え技術の機序から臨床応用に至るまでに超えるべき問題点など、たくさんの事前学習を感じさせてくれる非常に良い発表でした。
2人目は1年生の平山音果さんが、Wang J, et al. TRIM47 drives gastric cancer cell proliferation and invasion by regulating CYLD protein stability. Biol Direct. 2024. PMID: 39516831を発表してくれました。胃癌におけるTRIM47というたんぱくの役割を主題にした論文で、In vitroにおける様々な実験を実験方法から意味までしっかりと解説してくれました。ご自身の研究に活かしていただきたい内容となっていました。
3人目は1年生の森竹貫人さんが、「Health inequities among British civil servants: the Whitehall II stud」というタイトルで2本の論文をまとめて発表してくれました。健康の社会的決定要因(SDH)に関する研究の発表で、職位と冠動脈疾患死亡率の関係性について詳しく説明してくれました。堂々とした発表で、普段から研究活動を頑張っていることが伺える内容になっていました。
今回は15名の学生さんに参加していただきました。どの論文も少し内容が専門的であったせいか、学生さんからたくさん質問があがるわけではありませんでしたが、最後に1人ずつ感想をお願いすると、それぞれが聞きながら思っていたことを少しずつ話してくれました。参加者の多くが低学年であることもあり、biologyの複雑な話になると「?」になってしまうのは当然です。しかし、そこで聞いたことはもう「初めてのこと」ではなくなります。この積み重ねこそが重要なプロセスになりますので、今回参加いただいた学生さんたちには良い経験をしていただけたと思っています。終了後には、来年度の輪読会が4回から5回に回数Upすることを告知させていただき、嬉しそうにしてくださっている学生さんが多くいたことを非常に嬉しく思いました。
最後になりますが、今回の2025年度第4回輪読会は、学務課および医学・看護学教育センターの方々、特に前任者である谷浦先生の手厚いサポートのもと、無事開催することができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。今年度もありがとうございました。
文責:前川 毅
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2025年度 第3回 輪読会を終えて
10月17日(金)に2025年度 第3回 輪読会を開催いたしまいた。今回は、3名の学生さんに発表していただきました。

1人目は2年生の大野望さんが、Livingston G, et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet standing Commission. Lancet. 2024. PMID: 39096926を発表してくれました。認知症の発症リスクに関する最新のReview論文をうまくまとめ、参加者にわかりやすくプレゼンしてくれました。
2人目は2年生の中村理帆さんが、van Tartwijk FW, et al. Mutation of the ALS-/FTD-Associated RNA-Binding Protein FUS Affects Axonal Development. J Neurosci. 2024. PMID: 38692734を発表してくれました。ALSや前頭側頭型認知症の原因となる変異遺伝子に関する原著論文で、概要から実験内容まで詳しく勉強し、プレゼンしてくれました。質疑応答では鋭い質問が飛び出すなど、論文の批判的査読という輪読会の主題に沿った良い発表になりました。

3人目は2年生の野村明生さんが、Tamura K, et al. Social Determinants of Cardiovascular Disease. Circ Res. 2022. PMID: 35239404を発表してくれました。心血管疾患に対する社会的決定要因をまとめたReview論文をわかりやすく説明してくれました。疫学的なものから分子学的なものまで幅広い内容となっていましたが、20分の時間にうまくまとめて発表してくれました。

20名近くの学生さんに参加していただき、非常に活気のある会になりました。最後に1人ずつ感想をお願いすると、Review論文がどのようなものか知らなかったという学生さんが多くおられ、論文というものに触れる良い機会になったのではないかと思いました。また、終了後には次回発表予定の学生さんから早速次回へ向けての相談や次回の発表希望の立候補があるなど、第4回が楽しみになる会になりました。
また、今回の2025年度第3回輪読会は、学務課および医学・看護学教育センターの方々、特に前任者である谷浦先生の手厚いサポートのもと、無事開催することができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
文責:前川 毅
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2025年度第2回技術セミナーを終えて


技術セミナーは年3回開催し、基礎研究の実験に必要な実験手技を体験いただくセミナーとなっています。今回は第2回を実施し、計7名の学生さん(1年生5人、2年生1人、5年生1人)が参加してくださいました。
今回のセミナーでは、癌細胞からのRNA抽出から始まり、PCR法によるcDNAの複製、plasmidへの挿入、大腸菌へのtransformationと丸2日をかけた盛りだくさんの内容を実習していただきました。また、Competent Cellsや寒天培地、アガロースゲルの作成にも挑戦していただき、実験に必要な物品を揃える基礎の部分から経験していただきました。参加してくださった学生さんたちは、みなさんやる気に満ち溢れており、初めての実験に臆することなく手を動かし、チャレンジしてくれていました。実験が成功し、綺麗に目的のバンドが確認できた生徒がいた一方で、大腸菌のコロニーができないなど様々なハプニングに遭遇する生徒もいました。今回の実習を通じて、結果を見返し、どこで反応が進まなかったのかを考察するという、今後自分で実験を進めていくために必要な考え方を学んでいただくことができたのではと思います。受講後アンケートでは、第1回からグッと実験レベルが上がった影響もあったのか、「内容が難しかった」や「自分自身の実験手技に未熟さを感じた」などの感想がありました。教師陣も、気軽にストレスなく実験を楽しんでもらいたい気持ちと基礎研究者が普段から向き合う実験(戦力として研究室に加わるために必要な実験スキル)とはどういうものなのかを知ってもらいたい気持ちがあり、「内容のレベル設定をどこに合わせるのか」は、今後も難しい問題として残りそうです。

今回の技術セミナーでは、夏休みの貴重な2日間をいただき、実習を行なっていただきましたが、多くの学生から「良い経験になった」、「楽しく実験できた」という感想をいただくことができました。第3回では、Western blottingによるタンパク質の測定実験を行う予定としており、第2回に続いて複数日程の内容を予定しています。ぜひ今年度最後の技術セミナーにご参加いただければと思います。

また、今回の技術セミナーも、学務課および医学・看護学教育センターの方々、特に前任者である谷浦先生の手厚いサポートのもと、無事開催することができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

文責:前川 毅
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2025年度 第2回 輪読会を終えて
去る、6月12日(木) 16:20~、2025年度 第2回 輪読会が開催されました。
最初に、論文Summary の読み合わせを行いました。今回は、構成が典型的で平易で身近な最近の話題であることから、Kim Ket.al. Meningeal lymphatics-microglia axis regulates synaptic physiology. Cell. 2025 May 15;188(10):2705-2719.e23. doi: 10.1016/j.cell.2025.02.022. Epub 2025 Mar 21.を取り上げました。話の展開を示すWordは頻出するものなので、これから論文を読むときの参考になればと思います。
今回の発表者は、2名で、一人目は3年生の竹村舞織さんがJi X. et.al. Deficiency in Lyst function leads to accumulation of secreted proteases and reduced retinal adhesion. PLoS One. 2022 Mar 3;17(3):e0254469. doi: 10.1371/journal.pone.0254469.を英語で発表してくれました。竹村さんはこの夏、2か月間留学することが決まっていますが、今回発表してくれた論文は、留学先の研究室の論文で、ラボの紹介と英語での発表・質疑応答の演習を兼ねて英語での発表にトライしてくれました。1年生にもわかりやすくするため、言葉を選び、工夫を凝らして、流暢な英語での発表でした。質疑応答は日本語でも受け付け、内容を確認しました。司会者も含め英語力を高めて、このような英語での発表の場を増やしていければよいと思います。

二人目は4年生の山本哲哉さんでWassiliwizky E. et.al. The emotional power of poetry: neural circuitry, psychophysiology and compositional principles. Soc Cogn Affect Neurosci. 2017 Aug 1;12(8):1229-1240. doi: 10.1093/scan/nsx069. を発表してくれました。詩の朗読が脳に与える影響を客観的にとらえるために、表情筋の動きや脳波、また、被検者の感情を数値化し集計するという試み自体がユニークで興味あるものでした。多くの人には初めての分野であったと思いますが、皆、熱心に聞いていました。

奇しくも、昨年の同時期の輪読会で本日発表の二人が発表してくれていました。それぞれに学年が上がって、プレゼンテーションもよりうまくなっていて、1年の成長を感じさせてもらいました。参加者は、発表者のほかに1年生11人、2年生5人、3年生4人、4年生1人、5年生1人と計24人で、過去最高タイでした。最後に感想を一人一言ずつお願いしたのですが、英語力を高める必要を感じたというのが最も多い意見でした。また、論文を批判的な目で見て読むのが大事だと感じた、これから論文をたくさん読んでいこうと思ったという人もいました。山本さんの発表に対しては、初めて聞く分野で興味深かった、輪読会で取り上げる範囲が広いことで自分にもできそうな気がしたといった意見が出ました。実際に、次回の輪読会の発表には既に2人が立候補してくれています。ますます盛り上げていけるよう尽力したいと思います。
輪読会の開催にかかわってくださった多くの方々に感謝し、この場を借りてお礼申し上げます。
文責:谷浦
2025年度第1回技術セミナーを終えて

技術セミナーは年3回開催し、基礎研究の実験に必要な実験手技を体験いただくセミナーとなっています。2025年度初回の第1回には計17名の学生さん(1年生11人、2年生6人)が参加してくださいました。

今回のセミナーでは、マイクロピペットの使い方を学んでいただき、それを利用したタンパク定量を用いて未知の濃度の溶液の濃度を予想するという「基礎のき」と言える内容で開催させていただきました。参加してくださった学生さんたちは、みなさん非常に真剣に取り組んでいて、いい結果が得られた人も失敗してしまった人も実験を楽しみながら受講していただけました。残念ながら失敗してしまった学生さんの中には「どこどこの手技で大きくずれてしまったと思います」など、失敗に至った原因を自分なりに考察してくださる人もおり、今後どんどん実験が上手くなる素質を感じさせてくれました。また受講後アンケートでは、「初めて実験器具に触れ、緊張した」や「使ったことのない機材を使用できて楽しかった」などフレッシュな感想をいただき、我々も初心を思い出せるようなセミナーにできたのではないかと思っています。

90分という非常に短い時間ではありましたが、少しでも「基礎研究って面白そうだな」と思うきっかけになればと思っています。第2回、第3回では、DNAや個別のタンパク質の定量実験を行う予定としており、数日をかけたより実際に近い内容を予定しています。ぜひ次回以降も参加いただければと思います。
また、今回の技術セミナーは、学務課および医学・看護学教育センターの方々、特に前任者である谷浦先生の手厚いサポートのもと、無事開催することができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
文責:前川毅
2024年度 第3回 技術セミナーを終えて

研究の基礎、特にタンパク質の扱い方を習得する第3回技術セミナーを、春休み期間である2~3月に、5回開催し、研究医コースの6名の学生(1年 5人、2 年 1人)が参加してくれました。昨年同様、2日で行うコースと1日目の工程を2日に分けて行う3日コースで募集をかけましたが、今年は全て2日コースを希望され、1日目の長い過程を皆さん、難なくこなされました。また、希望が分散したこともあり、1回のみ2人でしたが残りの4回は1人ずつの受講となりました。

実験内容は昨年と同様、培養細胞のcell lysate の調製とタンパク定量、そして、それらを用いてSDS-PAGE からWestern Blotをおこなうというものでした。更に、2日目の余白で行う実験として、細胞培養の体験か臓器のスライドのH-E染色かを選んでもらいましたが、一人が細胞培養を希望され、残りの方はH-E染色を希望されました。また、第2回技術セミナーのリベンジ実験として、細胞培養からのRNA精製、RT-PCR、cDNAの特定配列の増幅を2日目に加えて、更にH-E染色も行うという盛りだくさんの実験をこなした学生さんもおられました。


全員が、各工程を問題なくスムーズに進めることができ、Western Blot で得られた結果も、美しく、数値的にもほぼ予想通りで、大成功でした。待ち時間には、実験を失敗しない工夫などを講師の実体験からお話したり、動物実験により犠牲になる動物への思いを語り合ったり、少人数ならではの和気あいあいとした雰囲気の中、無事全工程を終えることができました。

受講後アンケートでは、全員が初めて知ることが多く興味深かった、説明と資料はわかりやすかったと回答してくれ、今後の研究に役立つと思うかとの問いには、大いに役立つと思う、ある程度役立つと思うと答えてくれました。後輩にこの技術セミナーを勧めたいと思うかについては、是非勧めたいが5人、勧めてもよいと思うが1人で、その理由としては、
と答えてくれました。
またセミナーへの感想を問うと、
と大変うれしく励みになる言葉をいただきました。2025年度は新任の前川先生が主体的に開催してくださることになりますが、兼任として、これからもサポートさせていただきます。
今回も、無事執り行えたのは、学務課の方をはじめ、皆さまのおかげです。
深く感謝申し上げます。
文責:谷浦
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