医学・看護学教育センター
Education Center
for Medicine and Nursing
2023年2月10日 / イベント
2022年度【研究医養成コース】第3回技術セミナー
「テーマ:実験の基礎 ‘実験の基礎 DNA編’」を開催します。
🔵🔵研究医養成コースに在籍する学生を対象に開催します。🔵🔵
🔵🔵今回もたくさんの学生さんに体験していただきます🔵🔵
⭐詳 細 ⭐
◆対象者:研究医養成コースに在籍する1・2年生
(希望する場合はそれ以外の学年でも可)
事前にWeb Classにて病原体等取扱講習会を視聴できる人。
◆内 容:培養細胞から得たDNAを鋳型として、特定のタンパクをコードするDNAをPCRによって増幅し、
プラスミドに組み入れてクローニングを行い、プラスミドのミニプレを行います。
プレートの作り方、コンピーテントセルの作り方、アガロースゲルの作り方等、できる限り
体験していただこうと思います。
◆日 程: 3月1日(水)~3月31日(金)の学生が希望する連続しない2日間。
菌の培養に要する時間が必要なので中1日以上空ける必要があります。
かなり離れていても構いません。
◆時 間:2日間とも9:30~17:00
昼休憩を1時間程度とります。進行具合により終了時間が前後することがあります。
◆申込締切:【2月17日(金)13:00】締切厳守
📢📢詳しくは当センターまでご連絡ください。
2023年2月10日 / イベント
2022年度 第5回輪読会を終えて
今年度最後となる第5回 輪読会を1月31日(火) 16:30より開催しました。開催に当たって発表者を募集した際、5年生の須賀さんがすぐに名乗りを上げてくださいました。また、その後、対外的な発表を控えた4年生の徳田さんが、その前哨戦として英語での発表を申し出てくださり、今回も充実した内容が揃いました。
恒例になりつつあるAbstract の読み合わせを、司会者の方から提示させていただきました。今回は、“Cell” の今年1月に掲載された、コロナウイルスの亜型がスパイク変異によって抗体回避する深刻な脅威について警鐘を鳴らす論文のAbstractを紹介しました。
一人目の発表者は、5年生の須賀弘篤さんで、 Kuroda, Sachiko and Isamu Yamamoto, “Workers’ Mental Health, Long Work Hours, and Workplace Management: Evidence from workers’ longitudinal data in Japan,” RIETI Discussion Paper, No.16-E-017, Research Institute of Economy, Trade & Industry, 2016 を紹介してくれました。我々社会人はもちろん、学生さんも近い将来直面する労働時間とメンタルヘルスに関する話題は、身近で興味深い内容でした。統計の取り方によって結果が変わってくるため、条件が大切だということがわかり、また、働き方の意識改革を惹起する意味でも有益な発表でした。
二人目の発表者は4年生の徳田裕人さんで、CRISPR/CAS9 について “Scientifc Background on the Nobel Prize in Chemistry 2020 ‘A TOOL FOR GENOME EDITING’”を資料として紹介してくれました。その画期的なアイデアがもたらした科学の発展についての紹介と、ご自分の研究をつなげ、更に倫理的制約について述べられました。英語も明瞭で速さ、トーンともに聞きやすく、学生の皆さんも言語の壁を感じることなく楽しめたのではないかと思います。
発表後の質疑応答も活発に行われ、それによって参加者は更に理解を深め、共感を得ることができました。発表者、参加者の皆さんに感想を求めたところ、違う分野への興味の広がりや、人前での発表体験の貴重さ、また、発表を聞いて芽生える意欲などを聞くことができました。輪読会の意義を感じ、来年度もしっかり続けていこうと意を強くしました。
(文責:谷浦)
2022年12月27日 / イベント
2022年度 第4回輪読会を終えて
今年度4度目の輪読会を12月7日(水) 16:30より開催しました。今回は発表希望者がおらず、向所先生の特別講演となりました。
まずは恒例のAbstract の読み合わせで、アルツハイマー病に関与する分子経路を、ヒトと神経再生可能なゼブラフィッシュのアミロイド毒性モデルとをトランスクリプトミックデータで比較する論文を取り上げました。キーになる単語を知っている必要がありますが、英語は読みやすかったかと思います。
向所先生の特別公演は「論文の読み方とプレゼンのコツ」、特に、プレゼンの意味や重要性、成功するための秘訣を学生さんと対話する中で、みんなで考えていきました。プレゼンは自分の意見が人に伝わらねば意味がありません。伝えるためにはスライドの工夫も必要ですが、わかりやすさを追求し、自信をもって明白に発言することが大切で、そうするためには、練習を重ねることに尽きます。学生さんにとっては、対話型双方向の講演で、疑問に直接答えていただけたり、投げかけられた問に答えたりすることで、発表に対する姿勢が鮮明になったのではないかと思います。
この講演を、これからのプレゼンテーションに是非、生かして頂きたいと思います。
(文責:谷浦)
2022年11月15日 / イベント
2022年度第3回輪読会を終えて
今年度3度目の輪読会を10月19日(水) 16:30より開催しました。事前予約なしに行った今回は、開催直前まで参加者が集まるか心配していましたが、学生15人と、教員1人の計16人の盛会となりました。少しずつではありますが、参加人数が増えており、今回は研究医コース以外の学生さんが4人もいてくれたことを嬉しく思います。
さて、前回に続き、最初に司会者の方から、Abstract の読み合わせを提示させていただきました。今回は、グローバリゼーション下における言語喪失について、PNASの身近な話題から紹介しました。おそらく、辞書なしでも十分に読み解けたのではないかと思います。
一人目の発表者は、2年生の寒出祐紀恵さんで、CellのArticle “Human-Specific NOTCH2NL Genes Affect Notch Signaling and Cortical Neurogenesis” を紹介してくれました。NOTCH2NL の遺伝子改変を詳細に解析し、サルからヒトへの進化への寄与を模索する、膨大で壮大な研究で、長文難解な論文だったと思いますが、2年生にもかかわらず、しっかりと読み解き、わかりやすく説明してくれました。 教室から多くの同級生、先輩や先生まで聞きに来てくれたことからも、多くの方が応援してくださったのではないかと思います。
二人目の発表者は3年生の山本菜々美さんで、Nucleic Acids Researchの “Interplay of primary sequence, position and secondary RNA structure determines alternative splicing of LMNA in a pre-mature aging syndrome” を紹介してくれました。早老症という、極めてまれではありますが有名な疾患の病原遺伝子を解析した、これも非常に膨大な、気の遠くなうような実験を重ねた素晴らしい研究でした。山本さんは、しっかりと読みこなし、自分の言葉でしっかりと発表してくれました。
発表後の質疑応答を聞くと、参加者が興味をもって聞き進め、理解を深めていることがわかり、今回もレベルの高い輪読会であったと思われました。最後に、発表者にそれぞれ感想を述べていただきました。お二人とも、大変な努力をされたのですが、それに十分報いるだけの達成感をもって発表してくださったのが伝わりました。
(文責:谷浦)
2022年10月13日 / イベント
2022年度 第2回 技術セミナー
研究の基礎、特にタンパク質の扱い方を習得する第2回技術セミナーを、夏休み期間である8月後半から9月にかけて5回開催し、研究医コースの14名の方(1年 5人、2 年 8人、3年1人)が参加してくれました。参加者が去年を大きく上回ったことを嬉しく思います。
今年は、一通り自分でやってみることに重点を置き、グループで見て終わり、ではなく、自ら手を動かせるよう、人数分のゲルを用意するなど、より実践に役立つセミナーを目指しました。また、参加しやすいよう、ほぼ同じ内容を2日で行うコースと3日で行うコースを設け、選んでもらいました。タイトなスケジュールをカバーするため、予め資料として方法・操作説明を動画としてWeb Classに上げ、参加前に事前学習をお願いしました。
実験内容は昨年と同様、培養細胞のcell lysate の調製とタンパク定量、そして、それらを用いてSDS-PAGE からWestern Blotをおこなうというものでした。はじめのグループは、日程調整がつかず4人で行ったこともあり、時間がかかってしまい、人数が多すぎたとか、セミナーが長いと感じたという、感想を頂くような状態になってしまいました。しかし、その後のグループは、各工程、問題なくスムーズに進みました。こちらの都合で時短や午後開始をお願いしたグループもありましたが、快く受け入れてくれて、無事行うことができました。得られた結果も、ほとんどが見た目も美しく、数値的にも予想通りで、大成功だったと思います。今年は、時間を調整して、一人一人に、クリーンベンチ内での無菌操作を行っての培養細胞の継代を体験してもらいました。また、ノートの書き方、ノートの重要性について語ったり、秤量時の注意や少量の秤量の仕方などを具体的に紹介したり、実験を失敗しない工夫などを講師の実体験からお話したりと、今後に役立ちそうな話題を織り込んでみました。少人数ならではの和気あいあいとした雰囲気の中、無事全工程を終えることができました。
受講後アンケートでも、楽しかった、興味深かった、今後の研究に役立つと思う、特に無菌操作は、見ているよりもずっと難しく、よい経験ができた、との意見を多くの方から頂きました。
コロナ第7波の影響が懸念されましたが、無事執り行えたのは、学生課の方々など、皆さまのおかげと感謝しています。
第3回技術セミナーは、春休みに、興味を持ってもらえるような内容で開催したいと思っています。
文責:谷浦
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