2025年度【学生向け】第1回輪読会を実施しました
2025年度 第1回 輪読会を終えて
去る、4月24日 (木) 16:20~、2025年度の 第1回 輪読会が開催されました。
今年度からは場所を第1講義室に戻し、たくさんの人が参加してくれることを期待しました。残念なことに1年生はTOEFL(ITP) と重なってしまい、数人が参加希望を出してくれたにもかかわらず参加できませんでした。それでも、2年 6人、3年 6人(うち1人は研究医養成コース外)、の計12人が参加してくれました。これは年度初回としては過去最多人数です。
最初に、論文Abstract の読み合わせを行いました。今回は、ごく最近、一般ニュースで取り上げられた、iPS細胞由来のdopamine作動性細胞がパーキンソン病に対する治験のphase I/II で安全性と有効性が認められたというNature に載った日本人の論文を取り上げました。
今回の発表者は2名で、一人目は2年生の細井克馬さんが、Luczak-Sobotkowska ZM et.al. Tracking changes in functionality and morphology of repopulated microglia in young and old mice. J Neuroinflammation. 2024 Oct 3;21(1):248. を発表してくれました。紹介に先立って、ミクログリアについてわかりやすく解説を加えてくれたこと、また本文も要点を抑えて簡潔にわかりやすくまとめてくれたこと、スライドがイラストにより非常にわかりやすくなっていたことなどから、専門的な統計の解析が多数出てくる非常にレベルの高い論文であるにもかかわらず、みんなが理解できたことと思います。
二人目は3年生の團野美優さんが、Li Y et.al. IGHG1 induces EMT in gastric cancer cells by regulating TGF-β/SMAD3 signaling pathway. J Cancer. 2021 Apr 19;12(12):3458-3467.を発表してくれました。実際には中国の臨床データを引用していたのに対し、日本における胃がんの罹患率・死亡率を調べて差し替えたり、用語を2年生にもわかるよう説明を加えたり、研究手法にコメントやイラストをつけて視覚に訴えたりと様々な工夫で分かりやすく解説してくれました。明瞭な声質、適度なスピードも相まって非常にわかりやすい発表でした。
最後に参加者に感想を聞いたところ、まだあまり学術論文に接していないが、これから積極的に論文を読んでいこうと思った、人にわかりやすく話すことやわかりやすいスライドづくりが勉強になった、などの意見を聞くことができました。また発表者の2人は、「今回発表するにあたって、調べることが多く、それらが有益であり、ただ論文を読むのと発表するのでは大きな違いがあることに改めて気づきました。」と答えてくれました。
輪読会は貴重な発表および質疑応答の機会です。これからも多くの人に参加してもらえるよう、工夫していきたいと思います。
輪読会の開催にかかわってくださった多くの方々に深く感謝申し上げます。
文責:谷浦
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