2023年度【学生向け】第3回輪読会を実施しました。
2023年11月22日 / イベント
2023年度 第3回 輪読会を終えて
去る、10月18日(水) 16:45~、2023年度 第3回 輪読会が開催されました。今回も、6階のサイエンスカフェでの開催となり、パンとHot Teaを飲食しながらの会となりました。参加者は1年生4人、2年生3人、3年生4人、4年生1人の計12人に研修医の景山先生が加わってくださいました。
今回の発表者は、2名でした。一人目は、3年生 掛谷朋秀さんで、Zhou X et al. Mutations linked to neurological disease enhance self-association of low-complexity protein sequences. Science. 2022 Jul;377(6601)を紹介してくれました。その異常蓄積がALSに関与することが知られているTDP-43タンパク質の低複雑性ドメインの中で、自己会合に影響を与えるペプチド骨格アミドプロトンを系統的に解析した報告で、P320の重要性の発見とcross-b 構造の分子凝集との関係を明らかにしていく過程は、非常に興味深いものでした。
もう一人は4年生 岡本なつめさんで、Yuzhakova DV et.al. Development of a 3D Tumor Spheroid Model from the Patient’s Glioblastoma Cells and Its Study by Metabolic Fluorescence Lifetime Imaging. Sovrem Tekhnologii Med. 2023;15(2):28-38. プライマリーカルチャーのspheroidを用いた3D 培養の代謝の変化を新たな解析法を用いて評価した論文の紹介を、英語で発表してくれました。その後、日本語に切り替えて、多少の解説を加えたうえ、自らの研究の成果も併せて発表してくれました。 これからは、英語での発表が必要な場面に遭遇するかもしれません。参加学生さんにも、非常に良い刺激を与えてくれました。
最後に、恒例となった論文Abstract の読み合わせを行いました。Wang C et.al. Dendritic cells direct circadian anti-tumour immune responses. Nature. 2023 Feb;614(7946):136-143. これも、今年、Nature に収載されたもので、初見で読みやすい内容のものとして選びました。
事前申し込みの参加者が少なく気をもみましたが、当日参加の方がたくさん来てくれて、盛会となりました。来てくれた方の中には、発表してみたいと言ってくれる人もいて、頼もしく思います。これからも、盛り上げていきたいと思います。
文責:谷浦
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今回の発表者は、1名で、2年生の山本哲哉さんが「Nietzsche and the Sculptural Sublime: On Becoming the One You Are」の論文をもとに、「『哲学』はいったい何色をしているのか?」と題して、二項対立について、哲学のアプローチの仕方について、また中世の文献学が及ぼした影響についてなど、おそらく多くの参加者が初めて聞くような、哲学についての興味深い話を分かりやすく論じてくれました。質疑応答も異色の、答えのない問いもあったかと思いますが、盛り上がり、最後は勝本先生が、ご自分の研究テーマに絡めて、白熱した議論を展開してくださり、時間があれば、まだまだ聞いていたいような盛会となりました。






皆さん、真剣に取り組んでくれて、大いに手ごたえを感じました。受講後のアンケートでセミナーの内容についての問いには、初めて知ることが多く興味深かった、もしくは、既に知っていることが多かったが再認識できて有意義だった、と言っていただきました。また、9割の方が、今後の研究に役立つと思う、ある程度役立つと思う、と回答してくれました。



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