医学・看護学教育センター

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「2024年11月」の記事

2024年度 第3回 輪読会を終了しました。(谷浦特任助教)

2024年11月13日 / イベント, 新着情報

2024年度 第3回 輪読会を終えて

 

 

 去る、10月16日 (水) 16:20~、2024年度 第3回 輪読会が開催されました。

 会場を6階サイエンスカフェで予定していましたが、参加者希望者が多数、見込まれたことで、急遽開催場所を第1講義室に移しました。実際に、これまで最高の24人が参加してくれました。その内訳は、1年 11人、2年 8人、3年 4人と6年 1人で、うち1人は研究医コース外の方でした。低学年が多く集まってくれる傾向が続いています。

 最初に、論文Abstract の読み合わせを行いました。今回は、今年のノーベル医学生理学賞を受賞されたDr. Ambros ご自身で書かれたmicroDNA に関するreviewを取り上げました。ほぼ平易な単語で簡潔にまとめられており、短時間でも多くの方が読み取れたのではないかと思います。

 

 

 

 

 今回の発表者は、2名で、一人目は1年生の中村理帆さんが、夏休みの研究テーマと密接な関係を持つ論文、Gao C, et.al. Neuromuscular organoids model spinal neuromuscular pathologies in C9orf72 amyotrophic lateral sclerosis. Cell Rep. 2024 Mar 26;43(3):113892 の一部を発表してくれました。その論文はALSの患者さんのiPS 細胞から神経筋接合部のオルガノイドを作成したという、非常に興味深い論文で、Supplementaryの部分も含めると36ページにわたる大作でしたから、読みこなすのは大変だったと思います。中村さんは、自分の言葉でわかりやすく、しっかりと発表してくれ、質問に対しても的確に答えていて、素晴らしい発表でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人目は3年生の イナンル 仁貴 さんで、①Moss B. Understanding the biology of monkeypox virus to prevent future outbreaks. Nat Microbiol. 2024 Jun;9(6):1408-1416.   ②Cohen J, Tsanni A. Pulling back the curtain. Science. 2024 Aug 23;385(6711):818-823. doi: 10.1126/science.ads5753. Epub 2024 Aug 22. PMID: 39172846. という2報からの情報をまとめて、M-pox の過去から現在に至る変遷を流暢な英語で紹介してくれました。スライドも見やすく、わかりやすい言葉を選んで発表してくれたので、英語であっても多くの方が理解できていたと思います。上級生の方々は、英語で質疑応答されていて、レベルの高さを感じました。

 最後に参加者の皆さんの感想を聞かせていただきました。1年生でしっかり発表していて刺激を受けた、研究への意欲が高まった、わかりやすいスライド作りの参考になった、など、いい影響を受けて今後につなげていただけそうで、大変うれしく思っています。

 

 

 

 

 今後の輪読会では、英語の得意な人には英語での発表もお願いしつつ、低学年の方には、人前で発表を体験する場として参加できるように、幅広く色々な発表者を支援していきたいと思います。

 輪読会の開催にかかわってくださった多くの方々に感謝しています。

                       文責:谷浦

 

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【学生向け】2024年度第2回技術セミナーを実施しました。

2024年11月11日 / イベント, 新着情報

2024年度 第2回 技術セミナー を終えて

 

 

  

 研究医養成コースの低学年の学生を対象とした、本年度 第2回目の技術セミナーを8月上旬から9月中旬までの計16日間、開催しました。1回のセミナーは連続しない2日間という日程で行い、1年生 12人、2年生 1人、3年生1人 の 計14人 が参加してくれました。テーマは昨年より夏休みに行うようになった「分子生物学の基礎実験(DNA/RNAの取り扱いと形質転換)」としました。遺伝子組み換えを含むため、70分の講義ビデオを視聴して、遺伝子組み換え取り扱い従事者の申請をした人のみが参加できる、ややハードルの高いセミナーでしたが、夏休みにもかかわらず、しっかりと講習を受けて、参加してくれました。

 

 

 

 内容としては、株化細胞からのRNA抽出、RT-PCRによるcDNAへの変換、そのcDNAを鋳型とした目的配列DNAのPCRでの増幅、さらに、Vector への組み込みと、形質転換、プラスミドの精製と制限酵素処理産物のアガロースゲルでの解析、それに加えコンピーテントセルの調整と、一通りの実験操作を体験してもらいました。

 

 

 皆さん、真剣に取り組んでくれて、すべての工程をやり切ってくれました。受講後のアンケートでは、セミナーの内容については、初めて知ることが多く興味深かった、もしくは、既に知っていることが多かったが再認識できて有意義だった、と言っていただきました。また、全員が、今後の研究に役立つと思う、もしくは、ある程度役立つと思う、と回答してくれました。ただ、何人かは目的とするインサートバンドが得られず、その中に、PCR法の経験の有無に関わらず実験が滞りなくできるようサポートしてほしいとの声がありましたので、その方に対しては、やり直しセミナーを提案し、希望日に再チャレンジしてもらう予定でいます。アンケートの自由記載欄には、

  • 実験テーマが面白かった:遺伝子組み換えという自分の身の回りでたまに見かける一方でよく知らなかったテーマであり、興味を持って実験できた。
  • 実験難易度がちょうどよかった:実験初心者の自分にとって、やりごたえがありつつも難しすぎず、楽しめた。
  • 普段は実験をしないような研究をしていて、自分の研究に直接役立つわけではないけれど新しいことに挑戦してみたいという思いで参加させていただきました。とても学ぶことが多くて楽しめました。
  • 実験手技だけでなく、その仕組みなども教えていただいて、とても興味深かった。

など、楽しく参加し、有意義に感じてくれた学生さんの声を聴くことができました。丸2日間、ほぼ実験だけに費やすことは初めての経験という人が多く、貴重な体験だったのではないかと思います。これを機に、研究に興味をもってくれたり、進行中の研究への意欲が高まってくれたりすることを切に願います。これからも、学生さんに研究の楽しさを伝えていきたいと思います。

 

                                 文責:谷浦

 

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【学生向け】「学内で地域医療の体験ができる」課外授業シリーズ2024第五弾!を開催しました。

2024年11月5日 / 新着情報, 講演

 

 課外授業シリーズ2024の最終は、「地域ケア・街歩き」出会いと歩みで“みるみる”めぐる長浜城下町ツアー」として長浜を散策しました。今回、浅井東診療所 所長 松井 善典先生、アネラ訪問看護ステーション 管理者 北川 理恵様、一般社団法人 sweetハート 元長浜市保健師OB 織田 里美様、長浜まちづくり株式会社 常務・風景デザイナー 竹村 光雄様にお話しを伺うことができました。

 

 

 

 

 場所は、長浜を代表する近代和風建築の北国街道 安藤家をお借りしました。長浜市内を散策しながら、各講師の方から地域の特徴や課題についても聞くことができました。

 

 

 

 

✨参加者からの感想✨

・医師から患者さんに対して助言をするのではなく、患者さんが自発的に行動変容ができるように促すことによって患者さんが自ら健康を維持できるようになることが最も学びなりました。

・保健師の方が、住民の方を積極的に支援するより一歩引いた立場で支援を行い住民の方の自立を促すべきであるというお話が大変印象深かったです。

・長浜という歴史ある街、そこで活動してきた方々、また、未来のために今活動されている方々からお話を聞くことで、まちづくりや地域医療を考え際に、時間軸を取り入れるのとができるようになったと感じます。

 

 

    

 

 

 座学とは違い、その土地に足を踏み入れることで感じれるものが多くありました。地域をよく知っておられる講師の方々との対話から、患者さんとのコミュニケーションをとるための多くのことを知ることができ、学び多いものとなりました。

 

  

 

 

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